歌詳細

天雲の影さへ見ゆるこもりくの初瀬の川は浦なみか船の寄り来ぬ磯なみか海人の釣せぬよしゑやし浦はなくともよしゑやし磯はなくとも沖つ波競ひ漕ぎ入来海人の釣船

項目 内容
番号 13-3225
漢字本文 天雲之影塞所見隠来笶長谷之河者浦無蚊船之依不来礒無蚊海部之釣不為吉咲八師浦者無友吉画矢寺礒者無友奥津浪諍榜入来白水郎之釣船
読み下し文 天雲の影さへ見ゆるこもりくの初瀬の川は浦なみか船の寄り来ぬ磯なみか海人の釣せぬよしゑやし浦はなくともよしゑやし磯はなくとも沖つ波競ひ漕ぎ入来海人の釣船
訓み あまくものかげさへみゆるこもりくのはつせのかははうらなみかふねのよりこぬいそなみかあまのつりせぬよしゑやしうらはなくともよしゑやしいそはなくともおきつなみきほひこぎりこあまのつりぶね
現代語訳 天の雲の影まで見える隠り国の初瀬の川は、よい浦がないからか船が寄って来ない。よい磯がないからか漁師が釣をしない。たとえ浦はなくとも、たとえ磯はなくとも、沖の波と争って漕ぎ入って来てくれ、漁師の釣船よ。
歌人 作者未詳 /
歌体 長歌
時代区分 不明
部立 雑歌
季節 なし
補足 不明//
類歌『歌経標式』21
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】泊瀬の川
【故地名読み】はつせのかわ
【現在地名】奈良県桜井市
【故地説明】初瀬の北方、長谷寺の東北の山中、桜井市小夫・白木に発し、初瀬で吉隠よりの小流をあわせて西流し、三輪山の裾をめぐって西北に流れ、末は佐保川をあわせて大和川となる初瀬川。
【地名】泊瀬の川
【現在地名】初瀬川。奈良県桜井市初瀬の長谷寺北方の山中に発して、初瀬渓谷を西流し、三輪三南麓を迂回した後、西北に向きを変え、磯城郡川西町で佐保川と合流して大和川となる。