歌詳細

山背の久邇の都は春されば花咲きををり秋さればもみち葉にほひ帯ばせる泉の川の上つ瀬に打橋渡し淀瀬には浮き橋渡しあり通ひ仕へ奉らむ万代までに

項目 内容
番号 17-3907
漢字本文(題詞) 讃三香原新都歌一首〔并短歌〕
漢字本文 山背乃久迩能美夜古波春佐礼播花〓乎〻理秋左礼婆黄葉尒保比於婆勢流泉河乃可美都瀬尒宇知橋和多之余登瀬尒波宇枳橋和多之安里我欲比都加倍麻都良武万代麻弖尒
読み下し文(題詞) 三香の原の新しき都を讃めたる歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 山背の久邇の都は春されば花咲きををり秋さればもみち葉にほひ帯ばせる泉の川の上つ瀬に打橋渡し淀瀬には浮き橋渡しあり通ひ仕へ奉らむ万代までに
訓み やましろのくにのみやこははるさればはなさきををりあきさればもみちばにほひおばせるいづみのかはのかみつせにうちはしわたしよどせにはうきはしわたしありがよひつかへまつらむよろづよまでに
現代語訳 山背の久邇の都は、春になると花が咲き盛り秋になると黄葉が美しく色づき、帯になさる泉川の、上流の瀬には打橋をわたし、淀瀬には浮橋を渡し、通い続けてお仕えしよう。万代の後までも。
歌人 境部宿禰老麻呂 / さかひべのすくねおゆまろ
歌体 長歌
時代区分 第3期
部立 なし
季節
補足 境部老麻呂/さかひべのおゆまろ/境部老麻呂
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】泉の川
【故地名読み】いずみのかわ
【現在地名】京都府相楽郡
【故地説明】泉の地を流れる木津川(奈良県の宇陀に発し伊賀をすぎ、泉の地を流れ、木津から北流して淀川に合する)のこと。
【故地名】久迩の都
【故地名読み】くにのみやこ
【現在地名】京都府相楽郡
【故地説明】天平12(740)年12月から同16年2月までの聖武天皇の帝都。大養徳恭仁大宮ともいう。中央を東西の木津川(泉川)が貫流し、鹿背山の東は瓶原盆地、西は木津平地、南北は山に囲まれた区域、皇城は加茂町例幣を中心とする一帯、大極殿址は瓶原小学校(登大路)裏の国分寺址に土壇と礎石をのこし、皇居址はその北方小字立川の京城芝の地という。
【故地名】三香の新京
【故地名読み】みかのあたらしきみやこ
【現在地名】京都府相楽郡加茂町
【故地説明】→久迩の都
【故地名】山背
【故地名読み】やましろ
【現在地名】京都府
【故地説明】国名。京都府の南部、京都・宇治・城陽・京田辺の四市及び乙訓・久世・綴喜・相楽の諸郡をいう。
【地名】山城:久邇京
【現在地名】国名。京都府の東南部、京都市南半以南の諸都市の地に当る。:京域は京都府相楽郡加茂・木津・山城の諸町にわたる。