歌詳細

妹が家も継ぎて見ましを大和なる大島の嶺に家もあらましを〔一に云ふ、妹があたり継ぎても見むに 一に云ふ、家居らましを〕

項目 内容
番号 2-91
漢字本文(標目) 近江大津宮御宇天皇代〔天命開別天皇、謚曰天智天皇〕
漢字本文(題詞) 天皇賜鏡王女御歌一首
漢字本文 妹之家毛継而見麻思乎山跡有大嶋嶺尒家母有猿尾〔一云、妹之當継而毛見武尒 一云、家居麻之乎〕
読み下し文(標目) 近江大津宮御宇天皇代〔天命開別天皇、謚曰天智天皇〕
読み下し文(題詞) 天皇の鏡王女に賜へる御歌一首
読み下し文 妹が家も継ぎて見ましを大和なる大島の嶺に家もあらましを〔一に云ふ、妹があたり継ぎても見むに 一に云ふ、家居らましを〕
訓み いもがいへもつぎてみましをやまとなるおほしまのねにいへもあらましを〔いつにいふ、いもがあたりつぎてもみむに 一いつにいふ、いへをらましを〕
現代語訳 あなたの家も見つづけていたいのに。大和の大島の山に家もあればよいのに〔あなたのいるあたりを見つづけてもいたいのに。/家にいればよいのに〕。
歌人 天智天皇 / てんちてんわう
歌人別名 中大兄, 天命開別天皇, 近江大津宮御宇天皇, 近江天皇, 天皇, 中大兄近江宮御宇天皇, 皇太子, 近江大津宮御宇天皇, 近江天皇, 天命開別天皇 / なかのおほえ, あふみのおほつのみやにあめのしたしらしめししすめらみこと, あふみのすめらみこと, あめみことひらかすわけのすめらみこと
歌体 短歌
時代区分 第1期
部立 相聞歌
季節 なし
補足 天智天皇/てんちてんわう/天智天皇
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】近江の大津の宮
【故地名読み】おおみのおおつのみや
【現在地名】滋賀県大津市
【故地説明】大津市南滋賀町(一説に滋賀里町・錦織町)にあった天智・弘文天皇の皇居。
【故地名】大島の嶺
【故地名読み】おおしまのね
【現在地名】奈良県生駒郡三郷町
【故地説明】奈良県生駒郡三郷町の信貴山の西、高安の山か。他に信貴山、生駒郡斑鳩町龍田の神南備山(三室山)、大和郡山市額田部町の山、など諸説ある。
【故地名】大和
【故地名読み】やまと
【故地説明】(倭・日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で、奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり、大和中央平原部、奈良県全体、近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという。集中の歌は大和中央平原部・大和国(奈良県全体)・日本国の総名など種々に用いている。
【地名】大和:大島の嶺
【現在地名】国名としての奈良県全体:所在未詳