歌詳細

白珠は人に知らえず知らずともよし知らずとも我し知れらば知らずともよし

項目 内容
番号 6-1018
漢字本文(題詞) 十年戊寅元興寺之僧自嘆歌一首
漢字本文 白珠者人尒不所知不知友縦雖不知吾之知有者不知友任意
漢字本文(左注) 右一首、或云元興寺之僧、獨覺多智、未有顕聞、衆諸狎侮。
因此、僧作此歌、自嘆身才也。
読み下し文(題詞) 十年戊寅に、元興寺の僧のみづから嘆ける歌一首
読み下し文 白珠は人に知らえず知らずともよし知らずとも我し知れらば知らずともよし
読み下し文(左注) 右の一首は、或は云はく「元興寺の僧の、独り覚りて智多けれども、顕聞れず、衆諸のひと狎侮りき。
これによりて、僧この歌を作りて、みづから身の才を嘆く」といへり。
訓み しらたまはひとにしらえずしらずともよししらずともわれししれらばしらずともよし
現代語訳 白珠は人に知られない。しかし、知られずともよい。たとえ人が知らなくても、自分自身が知っているのなら、人が知らなくてもよい。
現代語訳(左注) 右の一首は、一説によると「元興寺の僧が一人修行を積んで智識も多かったが、世に顕われるところとならず、人々が軽蔑していた。
これによって僧がこの歌を作って自身の才能を嘆いた」という。
歌人 僧 (2) / ほふし
歌体 旋頭歌
時代区分 不明
部立 雑歌
季節 なし
補足 元興寺僧/がんこうじそう/元興寺僧
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】元興寺
【故地名読み】がんごうじ
【現在地名】奈良県奈良市
【故地説明】奈良市芝新屋町にあった寺。高市郡明日香村飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が移ったもの。平城の明日香ともいう。→奈良の明日香