歌詳細
項目 | 内容 |
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番号 | 巻20-4372 |
漢字本文 | 阿志加良能美佐可多麻波理可閇理美須阿例波久江由久阿良志乎母多志夜波婆可流不破乃世伎久江弖和波由久牟麻能都米都久志能佐伎尒知麻利為弖阿例波伊波〻牟母呂〻〻波佐祁久等麻乎須可閇利久麻弖尒 |
漢字本文(左注) | 右一首、倭文部可良麻呂 二月十四日、常陸國部領防人使大目正七位上息長真人國嶋進歌數十七首 但拙劣歌者不取載之 |
読み下し文 | 足柄のみ坂給はり顧みず我は越え行く荒し男も立しやはばかる不破の関越えて我は行く馬の蹄筑紫の崎に留まり居て我は斎はむ諸は幸くと申す帰り来までに |
読み下し文(左注) | 右の一首は、倭文部可良麻呂。 二月十四日に、常陸国の部領防人使大目正七位上息長真人国島の進れる歌の数は十七首。 ただ拙劣き歌は取り載せず。 |
訓み | あしがらのみさかたまはりかへりみずあれはくえゆくあらしをもたしやはばかるふはのせきくえてわはゆくむまのつめつくしのさきにちまりゐてあれはいははむもろもろはさけくとまをすかへりくまでに |
現代語訳 | 足柄峠を越えることを許されて、故郷をふりかえることなく、私は越えてゆく。勇敢な男もゆきかねるだろうか、その不破の関を越えて私はゆく。馬のひづめを筑紫の果てまで進めて、そこでやっととどまる。私はわが身を慎しもう。留守の人々はみんなが無事でと祈ってくれることだ。故郷に帰りつくまでは。 |
歌人 | 倭文部可良麻呂 / しとりべのからまろ |
歌体 | 長歌 |
時代区分 | 第4期 |
部立 | なし |
季節 | なし |
補足 | 倭文部可良麻呂/しとりべのからまろ/倭文部可良麻呂 |
詠み込まれた地名 | 不明 / 不明 |
関連地名 | 【故地名】足柄の御坂 【故地名読み】あしがらのみさか 【故地説明】「足柄の坂」のこと。 【故地名】筑紫の崎 【故地名読み】つくしのさき 【故地説明】筑紫の地の岬。防人の滞留防備すべきところ。 【故地名】常陸の国 【故地名読み】ひたちのくに 【現在地名】茨城県 【故地説明】国名。ほぼ現在の茨城県に一致する。 【故地名】不破の関 【故地名読み】ふわのせき 【現在地名】岐阜県不破郡関ヶ原町 【故地説明】同郡関ケ原大字松尾149番地(大木戸坂)にその遺址を伝える。東山道の要関であった。国府の西南約8キロ。 【地名】足柄:不破の関:筑紫の崎 【現在地名】神奈川県南足柄市矢倉沢から地蔵堂を経て静岡県駿東郡小山町竹之下に越える足柄峠。:岐阜県不破郡関ヶ原町にかつてあった関。:九州地方の総名にも、また筑前・筑後の総称としても用いる。 |