美術品詳細

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項目 内容
資料番号 A-0001
種別 日本画(万葉日本画)
美術品名 刻 / とき
制作年 平成8年
法量(cm) 171.3 x 290.8
材質・技法 紙本着色
形状 四曲屏風一隻
作者 青山亘幹 / あおやまのぶよし
解説  憶良の「世間の住り難きを哀しびたる歌」。憶良は遣唐使として渡唐の経験を持ち、その学識によって地位を築いた人物であった。当時の漢籍と仏典から学ばれたであろう「無常」ということがあますところなく描かれている。「老」と「若」の対照が実にリアルである。
画家のことば  絵を付けることになった山上憶良の歌は何となく『方丈記』の書き出しに似て、日本人の深層の中にある人生観を感じて共感を持ちました。長い歌なので一番印象の強い部分に総てを注ぎました。スケッチ会での衣装が美しかったので、それを描きたい為に強引な描き方だったかもしれません。老いへの恐れは今迄感じることがありませんでしたが、気付いてみると自分も五十歳を越えています。
 若さという光輝く弾けるような勢いにすばらしい魅力を感じるし、驚きや羨ましさを思う一方で、その若さもやがて誰の手からもこぼれ落ちて過ぎていきます。元気いっぱいの若い日を思い出しながら、日々過ぎていく時間の重さを、最も美しい少女の形を借りて描いてみました。