美術品詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | A-0020 |
種別 | 日本画(万葉日本画) |
美術品名 | 子 / こ |
制作年 | 平成10年 |
法量(cm) | 145.5 x 97 |
材質・技法 | 紙本着色 |
形状 | 額装 |
作者 | 宇佐美江中 / うさみこうちゅう |
解説 | 世の中に存在するいかなる宝も、こどもに勝るものはない、という憶良の有名な歌。序には、かの釈迦でさえも、在俗中にもうけた子への愛情を断ち切ることはできなかった、と述べている。まして、普通の人間が、それを断ち切ることなど不可能である、と憶良はいう。絵の中で、こどもが持っているのは、当時の代表的なあそびである打毬と杖。打毬は、ポロやホッケーのように杖で毬を打ちあう競技である。 |
画家のことば | あまりにも人口に膾炙している歌であり、人生的な歌人として活躍した山上憶良の、子に寄せる心情が普遍的な表現を以て詠まれています。 制作に当たり、赤子か幼な子かと考えながらも、純真さを失わずそのうえ大人への移行に何かを秘めた少年の顔を描いて見たいと思い、また球技は当時より行われていた事からそれを取り入れました。 なお、憶良の歌の中に「術も無く苦しくあれば出で走り去ななと思へど児らに障りぬ(巻五-八九九)」があります。逆境にも子との縁を絶ち切れない苦しみ、それは極く自然な慈しみの心がそうさせ、子は宝であると同時に時に束縛ともなり、この点は古今無しと云えましょう。それにしても矢張り子は掛け替えのない宝に相違ありません。我が子も他人の子も。 |