美術品詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | A-0025 |
種別 | 日本画(万葉日本画) |
美術品名 | 貧窮問答歌 / びんぐもんどうのうた |
制作年 | 平成10年 |
法量(cm) | 145.5 x 145.5 |
材質・技法 | 紙本着色 |
形状 | 額装 |
作者 | 大森運夫 / おおもりかずお |
解説 | 貧しい人間の生活をリアルに描こうとした憶良の有名な長歌。こういった内容を和歌の主題とすること自体が、和歌史上、稀有なことであった。絵では冠を脱いで沈思黙考する憶良の姿が描かれている。そして、その心のうちは、上部に描かれている。冠を脱いだ憶良を描いたのは、官人・憶良ではなく、一人の人間としての憶良を描かんがためであろう。 |
画家のことば | 遣唐使の体験をもつ上流階級の知識人であった山上憶良の貧窮問答歌は、万葉集で唯一の社会主義的な視野をもった人間愛にあふれた名歌である。 その長歌の前半は憶良自身の自画像であり、後半に生活苦に悩む庶民の家族がリアルに表現されている。それを庶民の群像を描いて、左側に詩想をねる憶良を描くような空間構成を考えた。 戦時中に愛読した万葉の中から、こうして製作できる機会を持てたのは何より有難い出会いであった。 |