美術品詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | A-0029 |
種別 | 日本画(万葉日本画) |
美術品名 | 山川の瀬音 / やまかわのせおと |
制作年 | 平成9年 |
法量(cm) | 116.7 x 80.3 |
材質・技法 | 紙本着色 |
形状 | 額装 |
作者 | 岡 信孝 / おかのぶたか |
解説 | 「柿本人麻呂歌集」とは、『万葉集』の編纂者が採用した資料のひとつで、最近では人麻呂の若き日の作品と考える研究者が多い。弓月が嶽は、桜井市の巻向山の峰の一つであろう。下流の瀬音の変化を感じとり、山の雲を思いやる自然に対する観察眼のようなものを感じさせる歌である。 |
画家のことば | 私は奈良の写生に十年間通った。ある時、穴師の村を通り、車谷という村に入る。目の前に三輪山が美しく、痛足川の瀬音が聞こえていた。一年前にそうめんの小屋を借りてアトリエにした。大和三山、二上山、三輪山。万葉の時代も同じ景色であったろうと思われ、胸一杯になる思いであった。 柿本人麻呂の「あしひきの山川の瀬のな響るなへに」と歌われたのは、この場所であると思っている。由槻が嶽はその辺りから見えるからである。 「雲立ち渡る」と歌われているので、雨の日に写生をした。穴師(痛足)川沿いの細い旧道を歩き、木の橋のある風景を写生した。藪萱草の咲いている草原に濡れながら、数枚のスケッチをした。雲は湧き上るように、巻向の由槻が嶽にかかっていた。 |