美術品詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | A-0035 |
種別 | 日本画(万葉日本画) |
美術品名 | 富士 / ふじ |
制作年 | 平成10年 |
法量(cm) | 116.8 x 80.3 |
材質・技法 | 紙本着色 |
形状 | 額装 |
作者 | 片岡球子 / かたおかたまこ |
解説 | 山部赤人の代表作の一つである富士山の歌。当該の歌は、長歌(巻三-三一七)についた反歌である。長歌は、天地開闢から説き起こし、日月に並ぶ富士の雄大さを歌っている。赤人は、そういった富士の雄大さを語り継ごう、と長歌において述べている。「うち出でて見れば」という表現の背景には、田子の浦を通って、視界が開ける場所に立った時の感動があるのだろう。そんな発見の感動が、絵から伝わってくる。 |
画家のことば | 企画に対し画家は、あれこれと題に似合う絵を作るために勉強のチャンスを得る事になります。かつて横山大観先生が院友だけの研究会で、「雄渾」の課題で皆の力をためされた事を思いだしました。 「田児浦ゆうち出でて見れば真白にそ不尽の高嶺に雪は降りける」の歌から、先ず田児の浦にゆき写生をした。万葉の面影は見当たらず、残念であった。しかし富士山だけは、たしかに生きておられた。 「四十年」もの長い間写生したスケッチの中から雪降りつづく富士を持ち出したり、五湖の湖の様子や田児の浦の波や船など、材料をそろえ私の造形で絵をつくった。はたして、これで私のいただいた万葉の歌の精神に似つかわしい作品になっているのか、如何かとなやみおる毎日です。 |