美術品詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | A-0047 |
種別 | 日本画(万葉日本画) |
美術品名 | 大和国原 / やまとくにはら |
制作年 | 平成9年 |
法量(cm) | 130.3 x 162.1 |
材質・技法 | 紙本着色 |
形状 | 額装 |
作者 | 絹谷幸二 / きぬたにこうじ |
解説 | 舒明天皇の御製歌。天皇が香具山に登り、国土を誉め讃えた歌である。古代において天皇が国見を行うことは、一種の国家的な儀礼であった。天皇は国見の場所となる香具山を讃え、あるべき国土の姿を力強く表現している。その煙や鷗は、平和で豊穣な国土の象徴である、ということができる。 |
画家のことば | 私の生家は、奈良の猿沢の池畔近くにあります。いつも遊び回った空間の中で、悠遠な時間の降りつもった自然と文化の風景を、目の底に沈み込ませることができました。 奈良の盆地の中に創りだされた文化は、地形だけをみれば、青垣山の連なりに抱かれて外との交流をさえぎられていたようにみえるかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。奈良の古代人の眼差しは、連山の壁を越えてもっと遠くはるかな、大陸のかなたの世界に向かっていたと考えています。 この歌は、香具山からの清々しい広々とした風景が謳われています。まるで鳥のように大空をかけ巡っていくような、はるかな視線に万葉人のスケールを感じざるを得ません。この作品で、古代人の飛行する心に私自身の筆をのせてみたいと思いました。 |