美術品詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | A-0079 |
種別 | 日本画(万葉日本画) |
美術品名 | はぎの頃 / はぎのころ |
制作年 | 平成10年 |
法量(cm) | 145.5 x 112.1 |
材質・技法 | 紙本着色 |
形状 | 額装 |
作者 | 田渕俊夫 / たぶちとしお |
解説 | 題詞に記される「尼の私房」とは、寺内に尼が持っている個室のこと。この私房で、作者は宴会をしたことになる。明日香川の流れを見る丘とは、甘樫丘のことで、私房のある豊浦寺とは目と鼻の位置関係にある。室内で宴会をしていた人びとは、折りしも降ってきた雨で甘樫丘の萩が散ってしまったのではなかろうかと、思いを馳せたのであろう。絵の雨雲にけぶる丘の稜線は、甘樫丘の稜線である。 |
画家のことば | 私が初めて明日香村を訪れたのは、かれこれ四半世紀も前になります。徒歩で飛鳥川を遡り栢森までの道すがら、この地で千数百年前に繰り広げられた大きな政治の興亡や、また数多くの万葉人の歌が生まれたことなどを思い描き、初めて来た地でありながら、何かとても懐かしい思いがしたのを覚えています。 私は犬養孝先生の万葉集の解説テープを一日中アトリエで流していた時期があります。万葉の歌が少し耳から入るようになると、明日香の風景の見方が変わってきました。万葉人が実際に立ち、歌を詠んだ所に自分が立っていると思うと、単なる風景画を描くだけでは済まなくなるのです。今回絵にした歌は特に好きな歌の一つです。自分なりの情景としてまとめてみました。 |