美術品詳細

小百合

代表画像

項目 内容
資料番号 A-0128
種別 日本画(万葉日本画)
美術品名 小百合 / さゆり
制作年 平成9年
法量(cm) 112.1 x 145.5
材質・技法 紙本着色
形状 額装
作者 松室加世子 / まつむろかよこ
解説  作者大舎人部千文は、常陸国那賀郡から出仕した防人。夜床でもいとしい妻は、逢えない昼もいとおしいという恋の激情を吐露した歌である。百合の花の清純な白と、「妹」のイメージがオーバーラップしている。
画家のことば  百合の花は純潔を表し、古くは新床を飾る花であったようです。奈良の率川神社でも、三輪山から取ってきたささ百合を左右に生け、古式ゆかしい三枝祭が行われます。
 以前この祭を拝見し、ささ百合をいただいて帰り、その時の写生が役立ちました。夜床にどのように飾ったものか解りませんので、万葉らしく、自然の中にのびやかな女人を描きました。防人の妻のようですから、もっと簡素だったと思います。顔も幼な顔でもなく、わけ知り顔でもなく、と苦心しました。さ百合は、ささ百合のことで、早百合と書くと早咲きの百合のこと、山野に咲く百合を総じて山百合というと聞きました。私は、愛しい人を防人に送った可愛い女人を想って、「小百合」と題しました。