歌詳細

わが背子を大和へ遣るとさ夜ふけて暁露にわが立ち濡れし

項目 内容
番号 2-105
漢字本文(標目) 藤原宮御宇天皇代〔高天原広野姫天皇、謚曰持統天皇。元年丁亥十一年譲位軽太子。尊号曰太上天皇也〕
漢字本文(題詞) 大津皇子竊下於伊勢神宮上来時、大伯皇女御作歌二首
漢字本文 吾勢祜乎倭邊遣登佐夜深而鶏鳴露尒吾立所霑之
読み下し文(標目) 藤原宮御宇天皇代〔高天原広野姫天皇、謚曰持統天皇。元年丁亥十一年譲位軽太子。尊号曰太上天皇也〕
読み下し文(題詞) 大津皇子の竊かに伊勢の神宮に下りて上り来ましし時に、大伯皇女の作りませる御歌二首
読み下し文 わが背子を大和へ遣るとさ夜ふけて暁露にわが立ち濡れし
訓み わがせこをやまとへやるとさよふけてあかときつゆにわがたちぬれし
現代語訳 わが背子を大和に見送ろうとして、夜もふけ、やがて明方の露にわたしは立ち濡れたことであった。
歌人 大伯皇女 / おほくのひめみこ
歌人別名 大来皇女 / おおくのひめみこ
歌体 短歌
時代区分 第2期
部立 相聞歌
季節 なし
補足 大伯皇女/おほくのひめみこ/大伯皇女
詠み込まれた地名 伊勢 / 三重
関連地名 【故地名】伊勢の神宮
【故地名読み】いせのかむみや
【現在地名】三重県伊勢市
【故地説明】伊勢市にある伊勢神宮のこと。
【故地名】藤原の宮
【故地名読み】ふじわらのみや
【現在地名】奈良県橿原市
【故地説明】藤原京の皇居。高殿町の鴨公小学校の南側に大宮土壇(大極殿址)が森となって残されていたが、近年、小学校を移転して十二堂址を復原保存している。なお、文武天皇の時、同市醍醐町に移建されたとする説もある。
【故地名】大和
【故地名読み】やまと
【故地説明】(倭・日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で、奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり、大和中央平原部、奈良県全体、近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという。集中の歌は大和中央平原部・大和国(奈良県全体)・日本国の総名など種々に用いている。
【地名】大和
【現在地名】奈良