歌詳細

明日香川行き廻る丘の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ

項目 内容
番号 8-1557
漢字本文(題詞) 故郷豊浦寺之尼私房宴歌三首
漢字本文 明日香河逝廻丘之秋芽子者今日零雨尒落香過奈牟
漢字本文(左注) 右一首、丹比真人國人
読み下し文(題詞) 故郷の豊浦寺の尼の私房にして宴せる歌三首
読み下し文 明日香川行き廻る丘の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ
読み下し文(左注) 右の一首は、丹比真人国人
訓み あすかがはゆきみるをかのあきはぎはけふふるあめにちりかすぎなむ
現代語訳 明日香川が流れめぐる丘の秋萩は、今日降る雨に散ってしまったろうか。
歌人 丹比真人国人 / たぢひのまひとくにひと
歌人別名 丹比国人真人
歌体 短歌
時代区分 第4期
部立 秋雑歌
季節
補足 丹比国人/たぢひのくにひと/丹比国人【丹比真人国人】
詠み込まれた地名 大和 / 奈良
関連地名 【故地名】明日香川
【故地名読み】あすかがわ
【現在地名】奈良県高市郡
【故地説明】高市郡高取山(584メートル)の山中畑に発し、稲淵山の西麓を廻り、雷丘の南西及び藤原京址を北西に流れ大和川に注ぐ。巻14のものは一説に東国の川、所在未詳。
【故地名】豊浦寺
【故地名読み】とゆらでら
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】奈良県高市郡明日香村豊浦にあった寺。蘇我稲目が自邸を寺とした向原寺の旧地で後に推古天皇の豊浦宮が建てられ、その後に建立されたわが国最初の尼寺。いま太子山向原寺がある。地は甘橿丘の北東麓、飛鳥川を隔てて雷丘と対する。
【故地名】行き廻る丘
【故地名読み】ゆきみるおか
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】川がめぐり流れている丘の意で、例歌は奈良県高市郡明日香村の雷丘をさす。他に明日香の岡寺付近、甘橿丘とする説もある。
【地名】明日香川
【現在地名】奈良県高市郡畑の山中に発し、稲淵山の西麓を回り、甘橿丘の東北、藤原宮跡を経て大和川に注ぐ