歌詳細
項目 | 内容 |
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番号 | 巻9-1742 |
漢字本文(題詞) | 見河内大橋獨去娘子歌一首〔并短歌〕 |
漢字本文 | 級照片足羽河之左丹塗大橋之上従紅赤裳数十引山藍用揩衣服而直独伊渡為児者若草乃夫香有良武橿実之独歟将宿問巻乃欲我妹之家乃不知久 |
読み下し文(題詞) | 河内の大橋を独り行く娘子を見たる歌一首〔并せて短歌〕 |
読み下し文 | しなてる片足羽川のさ丹塗りの大橋の上ゆ紅の赤裳裾引き山藍もち摺れる衣着てただ独りい渡らす児は若草の夫かあるらむ橿の実の独りか寝らむ問はまくの欲しき吾妹が家の知らなく |
訓み | しなてるかたしはがはのさにぬりのおほはしのうへゆくれなゐのあかもすそびきやまあゐもちすれるきぬきてただひとりいわたらすこはわかくさのつまかあるらむかしのみのひとりかぬらむとはまくのほしきわぎもがいへのしらなく |
現代語訳 | 級照る片足羽川の丹塗りの大橋の上を通って、紅の赤裳の裾を引き、山藍で摺った衣を着てただ一人で渡っている子は、若草の夫がいるのだろうか。橿の実のように一人で寝ているのだろうか。言問いしたいと思うあの子の家を知らないことよ。 |
歌人 | 高橋連虫麻呂歌集 / たかはしのむらじむしまろのかしふ |
歌体 | 長歌 |
時代区分 | 第3期 |
部立 | 雑歌 |
季節 | なし |
補足 | 高橋虫麻呂/たかはしのむしまろ/高橋虫麻呂【高橋連虫麻呂歌集】 |
詠み込まれた地名 | 河内 / 大阪 |
関連地名 | 【故地名】片足羽川 【故地名読み】かたしわがわ 【現在地名】大阪府 【故地説明】大阪府柏原市安堂町で大和川に合流する石川(河内長野市の山谷に発して北流)か。一説に柏原市安堂町付近の大和川(大和平野の水を集めて龍田山の南の峡谷をぬけ、安堂町付近から西北流して淀川を注ぐ)のこと。 【故地名】河内の大橋 【故地名読み】かわちのおおはし 【現在地名】大阪府 【故地説明】片足羽川にかかっていた橋。位置未詳。→片足羽川(1)柏原市安堂町の藤井寺市船橋町との間。(2)柏原市国分の国豊橋付近。(3)羽曳野市碓井付近。 |