歌詳細

三諸の神奈備山に立ち向かふ三垣の山に秋萩の妻をまかむと朝月夜明けまく惜しみあしひきの山彦とよめ呼び立て鳴くも

項目 内容
番号 9-1761
漢字本文(題詞) 詠鳴鹿謌一首〔并短歌〕
漢字本文 三諸之神邊山尒立向三垣乃山尒秋芽子之妻巻六跡朝月夜明巻鴦視足日木乃山響令動喚立鳴毛
読み下し文(題詞) 鳴く鹿を詠める歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 三諸の神奈備山に立ち向かふ三垣の山に秋萩の妻をまかむと朝月夜明けまく惜しみあしひきの山彦とよめ呼び立て鳴くも
訓み みもろのかむなびやまにたちむかふみかきのやまにあきはぎのつまをまかむとあさづくよあけまくをしみあしひきのやまびことよめよびたてなくも
現代語訳 三諸の神辺山に向かい立つ御垣の山に、秋萩という妻を共寝に誘おうとして、朝月夜の夜の明けるのを惜しんで、あしひきの山彦を響かせ、呼び立てては鳴くよ、鹿は――。
歌人 柿本朝臣人麻呂 / かきのもとのあそみひとまろ
歌人別名 人麻呂
歌体 長歌
時代区分 第2期
部立 雑歌
季節 なし
補足 柿本人麻呂/かきのもとのひとまろ/柿本人麻呂【柿本朝臣人麻呂】
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】神名備山
【故地名読み】かむなびやま
【現在地名】奈良県
【故地説明】飛鳥(神岳)、三輪(三輪山)、龍田(a生駒郡斑鳩町神南の三室山、b同郡三郷町大字立野字西浦の神南備神社のある山)の神名備がある。神座となる山や森をいう普通名詞でどこにでもありうるが、集中の神名備の大部分は飛鳥の神名備をいう。
【故地名】三垣の山
【故地名読み】みかきのやま
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】普通名詞か。地名なら奈良県高市郡明日香村の甘橿丘、あるいはその付近の山か。
【故地名】三諸の神名備山
【故地名読み】みもろのかむなびやま
【現在地名】奈良県
【故地説明】三室の山のこと。一説に山名として京都府宇治市莵道滋賀谷の三室戸寺のある山。
【地名】三垣の山
【現在地名】所在未詳