歌詳細

三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや

項目 内容
番号 1-18
漢字本文(題詞) 反歌
漢字本文 三輪山乎然毛隠賀雲谷裳情有南畝可苦佐布倍思哉
漢字本文(左注) 右二首歌、山上憶良大夫類聚歌林曰、遷都近江國時御覧三輪山御歌焉。
日本書紀曰、六年丙寅春三月辛酉朔己卯、遷都于近江。
読み下し文(題詞) 反歌
読み下し文 三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
読み下し文(左注) 右の二首の歌は、山上憶良大夫の類聚歌林に曰はく「都を近江国に遷す時に三輪山を御覧す御歌なり」といへり。
日本書紀に曰はく「六年丙寅の春三月辛酉の朔の己卯、都を近江に遷す」といへり。
訓み みわやまをしかもかくすかくもだにもこころあらなもかくさふべしや
現代語訳 三輪山をこのように隠すのか。せめて雲だけでも情があってほしいものを。隠すべきだろうか。
現代語訳(左注) 右の二首の歌は、山上憶良の類聚歌林によると「都を近江に遷す時に三輪山を御覧になった御歌だ」という。
日本書紀では「天智六年の三月十九日に近江遷都」とある。
歌人 額田王 / ぬかたのおほきみ
歌体 短歌
時代区分 第1期
部立 雑歌
季節
補足 井戸王/ゐのへのおほきみ/額田王
詠み込まれた地名 近江 / 滋賀
関連地名 【故地名】近江
【故地名読み】おおみ
【現在地名】滋賀県
【故地説明】国名。滋賀県の地。
【故地名】近江の国
【故地名読み】おおみのくに
【現在地名】滋賀県
【故地説明】国名。滋賀県の地。
【故地名】三輪山
【故地名読み】みわやま
【現在地名】奈良県桜井市
【故地説明】大神神社の神体とされる円錐形の端麗な山(467メートル)、初瀬谷の北側の入口をなし、山中に磐境のあと多く、往古からの信仰の山。南麓には往古海石榴市があり、西麓を山辺の道が北に走っていた。
【地名】三輪山
【現在地名】奈良県桜井市三輪にある山:奈良市一条大路の北方背後に連なる丘陵性の山地