歌詳細

大和には群山あれどとりよろふ天の香具山登り立ち国見をすれば国原は煙立ち立つ海原はかまめ立ち立つうまし国そ蜻蛉島大和の国は

項目 内容
番号 1-2
漢字本文(標目) 高市岡本宮御宇天皇代〔息長足日廣額天皇〕
漢字本文(題詞) 天皇登香具山望國之時御製歌
漢字本文 山常庭村山有等取與呂布天乃香具山騰立國見乎為者國原波煙立龍海原波加萬目立多都怜𪫧國曽蜻嶋八間跡能國者
読み下し文(標目) 高市岡本宮御宇天皇代〔息長足日廣額天皇〕
読み下し文(題詞) 天皇の、香具山に登りて望国したまひし時の御製歌
読み下し文 大和には群山あれどとりよろふ天の香具山登り立ち国見をすれば国原は煙立ち立つ海原はかまめ立ち立つうまし国そ蜻蛉島大和の国は
訓み やまとにはむらやまあれどとりよろふあまのかぐやまのぼりたちくにみをすればくにはらはけぶりたちたつうなはらはかまめたちたつうましくにそあきづしまやまとのくには
現代語訳 大和には多くの山があるが、とりわけてりっぱに装っている天の香具山、その頂に登り立って国見をすると、国土には炊煙がさかんに立ち、海上には鴎がしきりに飛び立っている。美しい国よ。蜻蛉(あきづ)島大和の国は。
歌人 舒明天皇 / じよめいてんわう
歌人別名 高市岡本宮御宇天皇, 息長足日広額天皇, 飛鳥崗本宮御宇天皇, 高市岡本宮御宇天皇, 天皇, 岡本天皇, 飛鳥岡本宮御宇天皇 / たけちのをかもとのみやにあめのしたしらしめししすめらみことあすかのをかもとのみやにあめのしたしらしめししすめらみこと
歌体 長歌
時代区分 第1期
部立 雑歌
季節 なし
補足 舒明天皇/じよめいてんわう/舒明天皇【高市岡本宮御宇天皇:息長足日廣額天皇】
詠み込まれた地名 大和藤原京 / 奈良
関連地名 【故地名】秋津島
【故地名読み】あきづしま
【故地説明】日本国および大和国の古名。「やまと」の美称としても用いる。孝安天皇「室之秋津島宮」のあった奈良県御所市大字室(旧秋津村)付近の地名が、次第に広がり、大和および日本国の総称となったか。神武紀に地名起源伝説がある。「秋つ島」(秋は実りの意)、「明つ島」の意とみる説もある。
【故地名】天の香具山
【故地名読み】あまのかぐやま
【現在地名】奈良県
【故地説明】奈良県橿原市と桜井市との境にある香具山(148メートル)。神の香具山とも単に香具山ともいう。大和三山の一。
【故地名】香具山
【故地名読み】かぐやま
【現在地名】奈良県
【故地説明】→天の香具山(奈良県橿原市と桜井市との境にある香具山(148メートル)。神の香具山とも単に香具山ともいう。大和三山の一。)
【故地名】高市岡本宮
【故地名読み】たけちのおかもとのみや
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】→明日香の岡本宮(舒明天皇の皇居。「高市岡本宮」ともいう。宮址未詳。明日香村雷付近、または同村奥山付近か。)
【故地名】大和
【故地名読み】やまと
【故地説明】(倭・日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で、奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり、大和中央平原部、奈良県全体、近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという。集中の歌は大和中央平原部・大和国(奈良県全体)・日本国の総名など種々に用いている。
【故地名】大和の国
【故地名読み】やまとのくに
【故地説明】(倭・日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で、奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり、大和中央平原部、奈良県全体、近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという。集中の歌は大和中央平原部・大和国(奈良県全体)・日本国の総名など種々に用いている。
【地名】大和:香具山:蜻蛉島
【現在地名】香具山頂上から望まれる旧磯城、高市、南・北葛城諸郡の地域をさす:奈良県橿原市の東部にある山:奈良県御所市大字室付近