歌詳細

栲領巾の懸けまく欲しき妹の名をこの背の山に懸けばいかにあらむ〔一に云ふ、代へばいかにあらむ〕

項目 内容
番号 3-285
漢字本文(題詞) 丹比真人笠麻呂徃紀伊國超勢能山時作歌一首
漢字本文 栲領巾乃懸巻欲寸妹名乎此勢能山尒懸者奈何将有〔一云、可倍波伊香尒安良牟〕
読み下し文(題詞) 丹比真人笠麻呂の紀伊国に往きて勢の山を越えし時に作れる歌一首
読み下し文 栲領巾の懸けまく欲しき妹の名をこの背の山に懸けばいかにあらむ〔一に云ふ、代へばいかにあらむ〕
訓み たくひれのかけまくほしきいものなをこのせのやまにかけばいかにあらむ〔いつにいふ、かへばいかにあらむ〕
現代語訳 栲の領巾をかけるように口にかけたいと思う妹の名を、この背という名の山にかけて口にしてはどうだろう〔背の山に代えて妹山といったらどうだろう〕。
歌人 丹比真人笠麻呂 / たぢひのまひとかさまろ
歌体 短歌
時代区分 不明
部立 雑歌
季節 なし
補足 丹比笠麻呂/たぢひのかさまろ/丹比笠麻呂
詠み込まれた地名 紀伊 / 和歌山
関連地名 【故地名】紀の国
【故地名読み】きのくに
【故地説明】国名。和歌山県と三重県の南、北牟婁の地。
【故地名】背の山
【故地名読み】せのやま
【現在地名】和歌山県伊都郡かつらぎ町
【故地説明】→妹背の山(和歌山県伊都郡かつらぎ町大字背の山の背の山(168メートル、紀ノ川北岸)と対岸の同町大字西渋田の妹山(長者屋敷と呼ぶ小丘、124メートル)のこと。)
【地名】勢能山
【現在地名】和歌山県伊都郡かつらぎ町にある山