歌詳細

やすみししわご大君の朝にはとり撫でたまひ夕にはい寄せ立たししみ執らしの梓の弓の中弭の音すなり朝狩に今立たすらし夕狩に今立たすらしみ執らしの梓の弓の中弭の音すなり

項目 内容
番号 1-3
漢字本文(題詞) 天皇、遊獦内野之時、中皇命使間人連老獻歌
漢字本文 八隅知之我大王乃朝庭取撫賜夕庭伊縁立之御執乃梓弓之奈加弭乃音為奈利朝獦尒今立須良思暮獦尒今他田渚良之御執梓能弓之奈加弭乃音為奈里
読み下し文(題詞) 天皇の、宇智の野に遊猟しましし時に、中皇命の間人連老をして献らしめたまへる歌
読み下し文 やすみししわご大君の朝にはとり撫でたまひ夕にはい寄せ立たししみ執らしの梓の弓の中弭の音すなり朝狩に今立たすらし夕狩に今立たすらしみ執らしの梓の弓の中弭の音すなり
訓み やすみししわごおほきみのあしたにはとりなでたまひゆふへにはいよせたたししみとらしのあづさのゆみのなかはずのおとすなりあさかりにいまたたすらしゆふかりにいまたたすらしみとらしのあづさのゆみのなかはずのおとすなり
現代語訳 あまねく国土をお治めになるわが天皇が、朝は朝で手にとってお撫でになり、夕方は夕方とておとり寄せになって立たれる、あの御愛用の梓の弓の、中弭の音が聞こえて来るようです。朝も夕も、今しも狩にお立ちになるようです。あの御愛用の梓の弓の、中弭の音が聞こえて来ます。
歌人 間人連老 / はしひとのむらじおゆ
歌体 長歌
時代区分 第1期
部立 雑歌
季節 なし
補足 中皇命/なかつすめらみこと/中皇命:間人老
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】宇智の野
【故地名読み】うちのの
【現在地名】奈良県五條市
【故地説明】奈良県五條市(旧宇智郡)一帯の地。国鉄北宇智駅付近から五條市の市街地にかけての一帯の山野。(1)北宇智駅西南方の高原。(2)五條市大野町付近と限定する説もある。