歌詳細

みてぐらを奈良より出でて水蓼穂積に至り鳥網張る坂手を過ぎ石走る神奈備山に朝宮に仕へ奉りて吉野へと入ります見れば古思ほゆ

項目 内容
番号 13-3230
漢字本文 帛■(口+刂)楢従出而水蓼穂積至鳥網張坂手乎過石走甘南備山丹朝宮仕奉而吉野部登入座見者古所念
読み下し文 みてぐらを奈良より出でて水蓼穂積に至り鳥網張る坂手を過ぎ石走る神奈備山に朝宮に仕へ奉りて吉野へと入ります見れば古思ほゆ
訓み みてぐらをならよりいでてみづたでほづみにいたりとなみはるさかてをすぎいはばしるかむなびやまにあさみやにつかへまつりてよしのへといりますみればいにしへおもほゆ
現代語訳 神への捧げ物を並べる奈良を出て、水蓼の穂に出る穂積に到り、鳥をとる網を坂に張る坂手を過ぎ、川が石走り流れる神南備の山に、朝の宮としてお仕え申して、吉野へとお入りになるのを見ると、昔のことが思われる。
歌人 作者未詳 /
歌体 長歌
時代区分 不明
部立 雑歌
季節 なし
補足 不明//
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】神名備山
【故地名読み】かむなびやま
【現在地名】奈良県
【故地説明】飛鳥(神岳)、三輪(三輪山)、龍田(a生駒郡斑鳩町神南の三室山、b同郡三郷町大字立野字西浦の神南備神社のある山)の神名備がある。神座となる山や森をいう普通名詞でどこにでもありうるが、集中の神名備の大部分は飛鳥の神名備をいう。
【故地名】坂手
【故地名読み】さかて
【現在地名】奈良県
【故地説明】奈良県磯城郡田原本町大字阪手から橿原市東竹田町にかけての一帯。
【故地名】奈良
【故地名読み】なら
【現在地名】奈良県奈良市
【故地説明】奈良市を中心に、東の春日・高円の連山・北の奈良山・西の生駒山に囲まれた奈良盆地北部の地。元明天皇和銅三(710)年以降70余年間、平城京のいとなまれた所。
【故地名】穂積
【故地名読み】ほづみ
【現在地名】奈良県
【故地説明】所在未詳。(1)奈良県天理市新泉町。大和神社の西南方にあたる。(2)磯城郡田原本町保津。(3)奈良市東九条町。
【故地名】吉野
【故地名読み】よしの
【現在地名】奈良県吉野郡吉野町
【故地説明】奈良県吉野郡吉野町を中心とした一帯の地。集中では主として吉野離宮のあった吉野川を中心とした流域一帯の山河をさす。歌中では「み吉野」ともいう。→み吉野
【地名】奈良:穂積:坂手:吉野
【現在地名】奈良:奈良県天理市西方の前栽町辺りの地。:奈良県磯城郡田原本町阪手の辺りか。:奈良県吉野郡。