歌詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番号 | 巻13-3236 |
| 漢字本文 | 空見津倭国青丹吉寧山越而山代之管木之原血速旧于遅乃渡滝屋之阿後尼之原尾千歳尒闕事無万歳尒有通将得山科之石田之社之須馬神尒奴左取向而吾者越往相坂山遠 |
| 読み下し文 | そらみつ大和の国あをによし奈良山越えて山背の管木の原ちはやぶる宇治の渡り滝つ屋の阿後尼の原を千年に欠くることなく万代にあり通はむと山科の石田の社の皇神に幣取り向けて我は越え行く逢坂山を |
| 訓み | そらみつやまとのくにあをによしならやまこえてやましろのつつきのはらちはやぶるうぢのわたりたぎつやのあごねのはらをちとせにかくることなくよろづよにありかよはむとやましなのいはたのもりのすぬさとりむけてわれはこえゆくあふさかやまを |
| 現代語訳 | 空に満ちる倭の国の、青丹よき奈良山を越えて、山代の管木の原から、ちはやぶる宇治の渡りを越え、滝つ屋の阿後尼の原を通り、千年の後にも欠けることなく、万年の後まで通いつづけようと、山科の石田の社の皇神に幣帛を手向けて、私は越えていくことだ。相坂山を。 |
| 歌人 | 作者未詳 / |
| 歌体 | 長歌 |
| 時代区分 | 不明 |
| 部立 | 雑歌 |
| 季節 | なし |
| 補足 | 不明// |
| 詠み込まれた地名 | 不明 / 不明 |
| 関連地名 | 【故地名】阿後尼の原 【故地名読み】あごねのはら 【現在地名】京都府宇治市 【故地説明】所在未詳｡京都府宇治市から宇治川を少し溯った所か｡一説に宇治市菟道（とと）の西方､宇治川東岸､一名蜻蛉野｡ 【故地名】逢坂山 【故地名読み】おおさかやま 【故地説明】滋賀県大津市西南､京都市との境をなす逢坂山｡山城国と近江国との境にあり､古来交通の要衝であった｡ 【故地名】石田の杜 【故地名読み】いわたのもり 【現在地名】京都府京都市伏見区 【故地説明】同区石田森西の田中神社(石田神社･天穂日命神社ともいう)か｡六地蔵から醍醐に向かう道の西にある小森｡ 【故地名】宇治の渡 【故地名読み】うじのわたり 【現在地名】京都府 【故地説明】宇治川の渡河点､位置未詳｡ 【故地名】滝屋 【故地名読み】たぎつや 【現在地名】京都府 【故地説明】普通名詞か｡地名なら京都府宇治市から山科までの間の宇治川畔のどこか｡ 【故地名】管木の原 【故地名読み】つつきのはら 【現在地名】京都府 【故地説明】京都府綴喜郡の原｡京田辺市東南一帯の野か｡ 【故地名】奈良山 【故地名読み】ならやま 【現在地名】奈良県奈良市 【故地説明】平城京の北郊に連なる丘陵性の山(100ﾒｰﾄﾙ内外)で､奈良市北郊の奈良坂以西山陵町にいたる低山の総称｡奈良山越えは佐紀より歌姫越えの道｡ 【故地名】山科 【故地名読み】やましな 【現在地名】京都府 【故地説明】京都市山科区山科｡宇治市木幡以北をも含む地｡ 【故地名】山背 【故地名読み】やましろ 【現在地名】京都府 【故地説明】国名｡京都府の南部､京都･宇治･城陽・京田辺の四市及び乙訓･久世･綴喜･相楽の諸郡をいう｡ 【故地名】大和の国 【故地名読み】やまとのくに 【故地説明】(倭･日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で､奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり､大和中央平原部､奈良県全体､近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという｡集中の歌は大和中央平原部･大和国(奈良県全体)･日本国の総名など種々に用いている｡ 【地名】大和の国:奈良山:山背:管木の原:宇治の渡り:滝つ屋:阿後尼の原:山科:石田の社:逢坂山 【現在地名】国名としての奈良県全体。:奈良:国名。京都府東南部の、京都市南半以南の諸市郡をさす。:京都府綴喜郡の原。:京都府宇治市。大和と近江とを結ぶ道筋に当る。:未詳。:京都府宇治市、菟道の西方、宇治川東岸の野。:京都市山科区。:京都山科区小山神無森町にかつてあった神社。: |