歌詳細

近江の海泊八十あり八十島の島の崎々あり立てる花橘を上枝にもち引き掛け中つ枝にいかるが掛け下枝にひめを掛け汝が母を取らくを知らに汝が父を取らくを知らにいそばひ居るよいかるがとひめと

項目 内容
番号 13-3239
漢字本文 近江之海泊八十有八十嶋之嶋之埼邪伎安利立有花橘乎末枝尒毛知引懸仲枝尒伊加流我懸下枝尒比米乎懸己之母乎取久乎不知己之父乎取久乎思良尒伊蘇婆比座与伊可流我等比米登
漢字本文(左注) 右一首
読み下し文 近江の海泊八十あり八十島の島の崎々あり立てる花橘を上枝にもち引き掛け中つ枝にいかるが掛け下枝にひめを掛け汝が母を取らくを知らに汝が父を取らくを知らにいそばひ居るよいかるがとひめと
読み下し文(左注) 右は一首
訓み あふみのうみとまりやそありやそしまのしまのさきざきありたてるはなたちばなをほつえにもちひきかけなかつえにいかるがかけしづえにひめをかけながははをとらくをしらにながちちをとらくをしらにいいかるがとひめと
現代語訳 近江の海には多くの湊がある。同じく多くある島々の崎々に立ちつづいている花橘に、その上枝には黐網をはりめぐらし、中の枝には斑鳩、下の枝にはヒメ鳥をそれぞれ囮(おとり)にしかけ、お前たちの母親をとろうとしていることも知らず、父親をとろうとしていることも知らず、戯れあっているよ。斑鳩とヒメ鳥とが。
歌人 作者未詳 /
歌体 長歌
時代区分 不明
部立 雑歌
季節 なし
補足 不明//
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】近江の海
【故地名読み】おおみのうみ
【現在地名】滋賀県
【故地説明】琵琶湖。
【地名】近江の海
【現在地名】滋賀の海