歌詳細

我が背子は待てど来まさず天の原ふりさけ見ればぬばたまの夜もふけにけりさ夜ふけてあらしの吹けば立ちどまり待つ我が袖に降る雪は凍り渡りぬ今更に君来まさめやさな葛後も逢はむと慰むる心を持ちてま袖もち床打ち払ひ現には君には逢はね夢にだに逢ふと見えこそ天の足夜を

項目 内容
番号 13-3280
漢字本文 妾背児者雖待来不益天原振左氣見者黒玉之夜毛深去来左夜深而荒風乃吹者立留待吾袖尒零雪者凍渡奴今更公来座哉左奈葛後毛相得名草武類心乎持而二袖持床打払卯管庭君尒波不相夢谷相跡所見社天之足夜乎
読み下し文 我が背子は待てど来まさず天の原ふりさけ見ればぬばたまの夜もふけにけりさ夜ふけてあらしの吹けば立ちどまり待つ我が袖に降る雪は凍り渡りぬ今更に君来まさめやさな葛後も逢はむと慰むる心を持ちてま袖もち床打ち払ひ現には君には逢はね夢にだに逢ふと見えこそ天の足夜を
訓み わがせこはまてどきまさずあまのはらふりさけみればぬばたまのよもふけにけりさよふけてあらしのふけばたちとまりまつわがそでにふるゆきはこほりわたりぬいまさらにきみきまさめやさなかづらのちもなぐさむるこころをもちてまそでもちとこうちはらひうつつにはきみにはあはねいめにだにあふとみえこそあまのたるよを
現代語訳 わが背子は待っていてもいらっしゃらない。天上を遠く見ると、ぬばたまの夜も更けたことだ。夜が更けて嵐が吹くと、立ちどまって待つ私の袖に、降る雪はすっかり凍った。今さらにあなたがどうしていらっしゃろう。さな葛のように後にも逢おうと、慰める心をもって、衣の袖で床を打ち払い、現実にはあなたに逢えないだろうが、せめて夢にだけでも逢うと見えてほしい。りっぱな充足した夜の中で。
歌人 作者未詳 /
歌体 長歌
時代区分 不明
部立 相聞歌
季節 なし
補足 不明//
詠み込まれた地名 不明 / 不明