歌詳細
項目 | 内容 |
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番号 | 巻13-3281 |
漢字本文(題詞) | 或本歌曰 |
漢字本文 | 吾背子者待跡不来鴈音文動而寒鳥玉乃宵文深去来左夜深跡阿下乃吹者立待尒吾衣袖尒置霜文氷丹左叡渡落雪母凍渡奴今更君来目八左奈葛後文将会常大舟乃思憑迹現庭君者不相夢谷相所見欲天之足夜尒 |
読み下し文(題詞) | 或る本の歌に曰はく |
読み下し文 | 我が背子は待てど来まさず雁が音もとよみて寒しぬばたまの夜もふけにけりさ夜ふくとあらしの吹けば立ち待つに我が衣手に置く霜も氷にさえ渡り降る雪も凍り渡りぬ今更に君来まさめやさな葛後も逢はむと大船の思ひ頼めど現には君には逢はず夢にだに逢ふと見えこそ天の足夜に |
訓み | わがせこはまてどきまさずかりがねもとよみてさむしぬばたまのよもふけにけりさよふくとあらしのふくとたちまつにわがころもでにおくしももひにさえわたりふるゆきもこほりわたりぬいまさらにきみきさなかづらのちもあはむとおほぶねのおもひたのめどうつつにはきみにはあはずいめにだにあふとみえこそあまのたるよに |
現代語訳 | 待っていてもわが背子はいらっしゃらない。雁の鳴き声も寒々と響いてくる。ぬばたまの夜も更けたことだ。夜が更けたとて嵐が吹くので、立って待っていると、私の衣手に置く霜も氷のように冴えかえり、降る雪もすっかり凍った。今さらあなたはどうしていらっしゃろう。さな葛のように後にも逢おうと大船のように頼みには思うけれども、現実にはあなたには逢えない。せめて夢にだけでも逢うと見えてほしいよ。りっぱな充足した夜に。 |
歌人 | 作者未詳 / |
歌体 | 長歌 |
時代区分 | 不明 |
部立 | 相聞歌 |
季節 | なし |
補足 | 不明// |
詠み込まれた地名 | 不明 / 不明 |