歌詳細

うちひさつ三宅の原ゆひた土に足踏み貫き夏草を腰になづみいかなるや人の児故そ通はすも我子うべなうべな母は知らじうべなうべな父は知らじ蜷の腸か黒き髪にま木綿もちあざさ結ひ垂れ大和の黄楊の小櫛を押へ刺す刺細の子それそ我が妻

項目 内容
番号 13-3295
漢字本文 打久津三宅乃原従當土足迹貫夏草乎腰尒魚積如何有哉人子故曽通簀文吾子諾〻名母者不知諾〻名父者不知蜷腸香黒髪丹真木綿持阿邪左結垂日本之黄楊乃小櫛乎抑刺〻細子彼曽吾孋
読み下し文 うちひさつ三宅の原ゆひた土に足踏み貫き夏草を腰になづみいかなるや人の児故そ通はすも我子うべなうべな母は知らじうべなうべな父は知らじ蜷の腸か黒き髪にま木綿もちあざさ結ひ垂れ大和の黄楊の小櫛を押へ刺す刺細の子それそ我が妻
訓み うちひさつみやけのはらゆひたつちにあしふみぬきなつくさをこしになづみいかなるやひとのこゆゑそかよはすもあごうべなうべなはははしらじうべなうべなちちはしらじみなのわたかぐろきかみにまゆふあざさゆひたれやまとのつげのをくしをおさへさすさすたへのそれそわがつま
現代語訳 日が輝く宮、三宅の原を通り、じかに土を足に踏みつけて、夏草に腰を没しては苦しみつつ、さあどのような、人の子のためか、お通いになるよ、吾子は。もっともです。お母さんは知らないでしょう。そのとおりです。お父さんは知らないでしょう。蜷貝の腸のようにまっ黒な髪に、美しい木綿をもってあざさを結び垂らし、大和の黄楊の小櫛を押え挿している、刺細の子、それこそ私の妻です。
歌人 作者未詳 /
歌体 長歌
時代区分 不明
部立 相聞歌
季節 なし
補足 不明//
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】三宅の原
【故地名読み】みやけのはら
【現在地名】奈良県磯城郡三宅町
【故地説明】奈良県磯城郡三宅町一帯の地。
【故地名】大和の国
【故地名読み】やまとのくに
【故地説明】(倭・日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で、奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり、大和中央平原部、奈良県全体、近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという。集中の歌は大和中央平原部・大和国(奈良県全体)・日本国の総名など種々に用いている。
【地名】三宅の原:大和
【現在地名】奈良県磯城郡三宅町の原。:奈良