歌詳細

つぎねふ山背道を他夫の馬より行くに己夫し徒歩より行けば見るごとに音のみし泣かゆそこ思ふに心し痛したらちねの母が形見と我が持てるまそみ鏡に蜻蛉領巾負ひ並め持ちて馬買へ我が背

項目 内容
番号 13-3314
漢字本文 次嶺経山背道乎人都末乃馬従行尒己夫之歩従行者毎見哭耳之所泣曽許思尒心之痛之垂乳根乃母之形見跡吾持有真十見鏡尒蜻領巾負並持而馬替吾背
読み下し文 つぎねふ山背道を他夫の馬より行くに己夫し徒歩より行けば見るごとに音のみし泣かゆそこ思ふに心し痛したらちねの母が形見と我が持てるまそみ鏡に蜻蛉領巾負ひ並め持ちて馬買へ我が背
訓み つぎねふやましろぢをひとづまのうまよりゆくにおのづましかちよりゆけばみるごとにねのみしなかゆそこもふにこころしいたしたらちねのははがかたみとわがもてるまそみかがみにあきづひれおひなめもうまかへわがせ
現代語訳 つぎねふ山城道を、他の夫が馬で行くのに、わが夫は歩いて行くので、見るたびにひどく泣かれてしまう。それを思うと心が痛い。たらちねの母の形見として私の持っている真澄鏡に蜻蛉領巾をそえて、ともに背負って市へもっていって、馬を買えよ、わが夫よ。
歌人 作者未詳 /
歌体 長歌
時代区分 不明
部立 問答(問答歌)
季節 なし
補足 不明//
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】山背道
【故地名読み】やましろじ
【現在地名】京都府
【故地説明】山背へ行く道。
【地名】山背道
【現在地名】京都府東南部の、京都市南半以南の諸市郡をさす。