歌詳細

飫宇の海の川原の千鳥汝が鳴けばわが佐保川の思ほゆらくに

項目 内容
番号 巻3-371
漢字本文(題詞) 出雲守門部王思京歌一首〔後、賜大原真人氏也〕
漢字本文 飫海乃河原之乳鳥汝鳴者吾佐保河乃所念國
読み下し文(題詞) 出雲守門部王の京を思へる歌一首〔後に、大原真人の氏を賜へり〕
読み下し文 飫宇の海の川原の千鳥汝が鳴けばわが佐保川の思ほゆらくに
訓み おうのうみのかはらのちどりながなけばわがさほがはのおもほゆらくに
現代語訳 飫宇の海の川原の千鳥よ、お前が鳴くと、わが家郷の佐保川が思われてならないのに。
歌人 門部王 / かどべのおほきみ
歌人別名 出雲守, 大原真人, 主人
歌体 短歌
時代区分 第３期
部立 雑歌
季節 なし
補足 門部王/かどべのおほきみ/門部王
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】出雲
【故地名読み】いずも
【現在地名】島根県
【故地説明】国名｡島根県東部の地｡
【故地名】飫宇の海
【故地名読み】おうのうみ
【現在地名】島根県
【故地説明】島根県宍道湖の横の中の海｡飫宇は『出雲風土記』の｢意宇郡｣で今の能義郡･八束郡･安来市･松江市の一部の宍道湖南岸｡例歌は国庁近くの意宇川(もとｵｳ川､いま出雲郷川)河口付近の海をさす｡
【故地名】佐保川
【故地名読み】さほがわ
【現在地名】奈良県奈良市
【故地説明】奈良市東方の春日山中より発し､北の山裾を迂回して､市街の北郊で吉城川をあわせ､佐保を西流し､法華寺の南で南流し､率川･能登川をあわせ､大和郡山を過ぎ､磯城郡川西町大字吐田で初瀬川に合して大和川を注ぐ川｡
【地名】飫宇の海：佐保川
【現在地名】島根県の中海：奈良市春日山に発し若草山北麓を回って佐保を西流し、法蓮寺の南で南流、大和郡山市を経て磯城郡川西町北吐田で初瀬と合流、大和川に注ぐ