歌詳細

耳無の池し恨めし吾妹子が来つつ潜かば水は涸れなむ〔一〕

項目 内容
番号 16-3788
漢字本文(題詞) 或曰、昔有三男。同娉一女也。娘子嘆息曰、一女之身易滅如露、三雄之志難平如石。
遂乃仿偟池上、沈没水底。
於時其壮士等、不勝哀頽之至、各陳所心作歌三首[娘子字曰〓兒也]
漢字本文 無耳之池羊蹄恨之吾妹児之来乍潜者水波将涸〔一〕
読み下し文(題詞) 或は曰はく、昔三の男ありき。同に一の女を娉ふ。娘子嘆息きて曰はく「一の女の身の滅易きこと露の如く、三の雄の志の平び難きこと石の如し」といふ。
遂に乃ち池の上にり、水底に沈没みき。
時にその壮士等、哀頽の至に勝へずして、各々所心を陳べて作れる歌二首
読み下し文 耳無の池し恨めし吾妹子が来つつ潜かば水は涸れなむ〔一〕
訓み みみなしのいけしうらめしわぎもこがきつつかづかばみずはかれなむ〔一〕
現代語訳 耳無の池は何と恨めしいことよ。吾妹子がやって来て身を投げたら、水は乾(か)れてほしいものを。
歌人 壮士 (2) / をとこ
歌人別名 男, 雄
歌体 短歌
時代区分 不明
部立 有由縁
季節 なし
補足 不明//
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】耳成の池
【故地名読み】みみなしのいけ
【現在地名】奈良県橿原市
【故地説明】耳成山の麓にあった池。その址は未詳。
【地名】耳無の池
【現在地名】奈良県橿原市の耳成山の麓にかつてあった池