歌詳細

ひさかたの天の原より生れ来たる神の命奥山の賢木の枝に白香つけ木綿とり付けて斎瓮を斎ひ掘り据ゑ竹玉を繁に貫き垂れ鹿猪じもの膝折り伏し手弱女のおすひ取り懸けかくだにもわれは祈ひなむ君に逢はぬかも

項目 内容
番号 3-379
漢字本文(題詞) 大伴坂上郎女祭神歌一首〔并短歌〕
漢字本文 久堅之天原従生来神之命奥山乃賢木之枝尒白香付木綿取付而斎戸乎忌穿居竹玉乎繁尒貫垂十六自物膝折伏手弱女之押日取懸如此谷裳吾者祈奈牟君尒不相可聞
読み下し文(題詞) 大伴坂上郎女の神を祭るの歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 ひさかたの天の原より生れ来たる神の命奥山の賢木の枝に白香つけ木綿とり付けて斎瓮を斎ひ掘り据ゑ竹玉を繁に貫き垂れ鹿猪じもの膝折り伏し手弱女のおすひ取り懸けかくだにもわれは祈ひなむ君に逢はぬかも
訓み ひさかたのあまのはらよりあれきたるかみのみことおくやまのさかきのえだにしらかつけゆふとりつけていはひべをいはひほりすゑたかだまをしじにぬきたれししじものひざをりふしたわやめのおすひとりかけかくだにもわれはこひなむきみにあはぬかも
現代語訳 遠い彼方の天上から生まれて来た神々よ。山奥の榊に白髪をつけ、木綿の幣を取りつけて、神聖な甕を掘り据え、竹玉をたくさん貫き垂らし、鹿猪のように膝を折って伏し、女たるもの打掛を掛けて、このようにしてまでも私はお祈りしましょう。あの方にお会いしたいことよ。
歌人 大伴坂上郎女 / おほとものさかのうへのいらつめ
歌人別名 坂上郎女, 大伴郎女, 郎女, 大伴宿禰坂上郎女, 大伴氏坂上郎女, 佐保大納言卿之女, 母, 姑
歌体 長歌
時代区分 第3期
部立 雑歌
季節 なし
補足 大伴坂上郎女/おほとものさかのうへのいらつめ/大伴坂上郎女
詠み込まれた地名 不明 / 不明