歌詳細
項目 | 内容 |
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番号 | 巻16-3837 |
漢字本文 | 久堅之雨毛落奴可蓮荷尒渟在水乃玉似有将見 |
漢字本文(左注) | 右歌一首、傳云有右兵衛。[姓名未詳]多能歌作之藝也。 于時、府家備設酒食、饗宴府官人等。於是饌食、盛之皆用荷葉。諸人酒酣、歌駱驛。 乃誘兵衛云關其荷葉而作歌者、登時應聲作斯歌也。 |
読み下し文 | ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜れる水の玉に似たる見む |
読み下し文(左注) | 右の歌一首は、伝へて云はく「右兵衛なるものあり。[姓名いまだ詳らかならず]多く歌を作る芸を能くす。 時に府家に酒食を備へ設け、府の官人等に饗宴す。ここに饌食は、盛るに皆蓮葉を用ちてす。諸人酒酣に、歌舞駱駅せり。 すなはち兵衛なるものを誘ひて云はく『その苛葉に関けて歌を作れ』といへれば、登時声に応へてこの歌を作りき」といへり。 |
訓み | ひさかたのあめもふらぬかはちすばにたまれるみづのたまににたるみむ |
現代語訳 | ひさかたの雨も降ってくれないか。蓮の葉に溜った水の、玉に似たのも見よう。 |
現代語訳(左注) | 右の歌一首は伝えて言うには「一人の右兵衛の官人がいた〔氏名はわからない〕。歌を作ることがきわめて巧みであった。 ある時、右兵衛の役所に酒食をそなえて役人たちを馳走したことがあった。そこで食物はすべて蓮の葉に盛った。集まった人々は酒が最高潮に達し、こもごもに歌い舞った。 その時、皆が兵衛の者を誘って言うには『その蓮の葉につけて歌を作れ』と。するとすぐ声に応じてこの歌を作った」という。 |
歌人 | 右兵衛 / うひやうゑ |
歌人別名 | 兵衛 |
歌体 | 短歌 |
時代区分 | 不明 |
部立 | 有由縁 |
季節 | なし |
補足 | 不明//不明 |
詠み込まれた地名 | 不明 / 不明 |