歌詳細

我が背子が犢鼻にする円石の吉野の山に氷魚そさがれる〔懸有、反してさがれるといふ〕

項目 内容
番号 16-3839
漢字本文 吾兄子之犢鼻尒為流都夫礼石之吉野乃山尒氷魚曽懸有〔懸有、反云佐我礼流〕
漢字本文(左注) 右歌者、舎人親王令侍座曰、或有作無所由之歌人者、賜以錢帛。
于時、大舎人安倍朝臣子祖父乃作斯歌獻上。登時以所募物、錢二千文給之也。
読み下し文 我が背子が犢鼻にする円石の吉野の山に氷魚そさがれる〔懸有、反してさがれるといふ〕
読み下し文(左注) 右の歌は、舎人親王侍座に令せて曰はく「或は由る所なき歌を作る人あらば、賜ふに銭帛を以ちてせむ」といへり。
時に大舎人安倍朝臣子祖父すなはちこの歌を作りて献上れり。登時募れる物、銭二千文を給ひき。
訓み わがせこがたふさきにするつぶれしのよしののやまにひをそさがれる〔懸有、反してさがれるといふ〕
現代語訳 わが背子がふんどしにする円い石の吉野の山に氷魚がぶらさかっている。「懸有」は「さがれる」とよむ。
現代語訳(左注) 右の歌は舎人親王が侍者に命ぜられることには「もし関係のない内容の歌を作る者がいたら銭や帛を褒美にやろう」といった。
その時大舎人の阿倍子祖父がすぐにこの歌を作ってさし出した。早速賞品の帛、銭二千文をお与えになった。
歌人 安倍朝臣子祖父 / あべのあそみこおぢ
歌体 短歌
時代区分 不明
部立 有由縁
季節 なし
補足 安倍子祖父/あべのこおほぢ/安倍子祖父
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】吉野の山
【故地名読み】よしののやま
【現在地名】奈良県吉野郡吉野町
【故地説明】吉野地方の山地。
【地名】吉野の山
【現在地名】奈良県吉野郡の山