歌詳細
項目 | 内容 |
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番号 | 巻16-3878 |
漢字本文(題詞) | 能登國歌三首 |
漢字本文 | 堦楯熊来乃夜良尒新羅斧堕入和之河毛■(亻+弖)河毛■(亻+弖)勿鳴為曽祢浮出流夜登将見和之 |
漢字本文(左注) | 右歌一首、傳云或有愚人。斧墮海底、而不解鐵沈無理浮水。聊作此歌、口吟為喩也。 |
読み下し文(題詞) | 能登国の歌三首 |
読み下し文 | 梯立の熊来のやらに新羅斧落し入れわしかけてかけてな泣かしそね浮き出づるやと見むわし |
読み下し文(左注) | 右の歌一首は、伝へて云はく「或は愚人あり。斧を海底に墜して、鉄の沈みて水に浮ぶ理なきことを解らず。聊かにこの歌を作りて、口吟みて喩すことを為しき」といへり。 |
訓み | はしたてのくまきのやらにしらきをのおとしいれわしかけてかけてななかしそねうきいづるやとみむわし |
現代語訳 | 梯立の熊来の沼に新羅斧を落し入れて、ワシ、けっしてけっしてお泣きになるな。浮き上がるかと見よう。ワシ。 |
現代語訳(左注) | 右の歌一首は伝えていうには「ある愚か者がいたとか。その者は斧を海底に落してしまいながら、鉄が沈んで水に浮かんで来ないという理屈を知らなかった。そこでちょっとこの歌を作って口ずさみ、教えさとした」という。 |
歌人 | 作者未詳 / |
歌体 | 長歌 |
時代区分 | 不明 |
部立 | 有由縁 |
季節 | なし |
補足 | 不明//不明 |
詠み込まれた地名 | 不明 / 不明 |
関連地名 | 【故地名】熊来 【故地名読み】くまき 【現在地名】石川県鹿島郡中島町 【故地説明】石川県鹿島郡中島町の中心部一帯(旧熊木村)。七尾湾西湾の最奥部にあたり、浅海に臨む。 【故地名】新羅 【故地名読み】しらき 【故地説明】朝鮮半島東南部にあった三韓のうちの一国。天平8(736)年の遺新羅使の歌が巻15にあり、『懐風藻』には新羅使とわが官人との文学交流の詩も残る。 【故地名】能登の国 【故地名読み】のとのくに 【現在地名】石川県 【故地説明】養老二(718)年越前国から分置し、天平13(741)年越中国に併合し、天平勝宝9(757)年再び一国となった。 【地名】熊来:3新羅斧 【現在地名】石川県鹿島郡中島町の中心部一帯。:朝鮮半島東南部にあった三韓のうちの一国。 |