歌詳細

春過ぎて夏来向かへばあしひきの山呼びとよめさ夜中に鳴くほととぎす初声を聞けばなつかしあやめぐさ花橘を貫き交じへかづらくまでに里とよめ鳴き渡れどもなほししのはゆ

項目 内容
番号 19-4180
漢字本文(題詞) 不飽感霍公鳥之情、述懐作歌一首〔并短歌〕
漢字本文 春過而夏来向者足檜木乃山呼等余米左夜中尒鳴霍公鳥始音乎聞婆奈都可之菖蒲花橘乎貫交可頭良久麻泥尒里響喧渡礼騰母尚之努波由
読み下し文(題詞) 霍公鳥を感づる情に飽かずして、懐を述べて作れる歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 春過ぎて夏来向かへばあしひきの山呼びとよめさ夜中に鳴くほととぎす初声を聞けばなつかしあやめぐさ花橘を貫き交じへかづらくまでに里とよめ鳴き渡れどもなほししのはゆ
訓み はるすぎてなつきむかへばあしひきのやまよびとよめさよなかになくほととぎすはつこゑをきけばなつかしあやめぐさはなたちばなをぬきまじへかづらくまでにさととよめなきわたれどもなほししのはゆ
現代語訳 春が過ぎて夏が訪れると、あしひきの山に鳴き声を響かせて夜中に鳴く霍公鳥よ。その初声を聞くと心ひかれる。菖蒲に花橘をまぜ通して蘰とする日までも、村中を響かせて鳴きつぐのだけれども、一層賞美されることだ。
歌人 大伴宿禰家持 / おほとものすくねやかもち
歌人別名 少納言, 家持, 越中国守, 大伴家持, 守, 少納言, 大帳使, 家持, 主人 / せうなごん, やかもち
歌体 長歌
時代区分 第4期
部立 なし
季節
補足 大伴家持/おほとものやかもち/大伴家持
詠み込まれた地名 越中 / 富山