歌詳細

うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しも独りし思へば

項目 内容
番号 19-4292
漢字本文(題詞) 廿五日、作歌一首
漢字本文 宇良宇良尒照流春日尒比婆理安我里情悲毛比登里志於母倍婆
漢字本文(左注) 春日遅々鶬鶊正啼。悽惆之意非歌難撥耳。仍作此歌、式展締緒。
但此巻中不〓作者名字、徒録年月所處縁起者、皆大伴宿祢家持裁作歌詞也。
読み下し文(題詞) 二十五日に作れる歌一首
読み下し文 うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しも独りし思へば
読み下し文(左注) 春日は遅遅にして、鶬鶊正に啼く。悽惆の意は歌にあらずは撥ひ難し。仍りてこの歌を作り、式ちて締れし緒を展ぶ。
ただこの巻の中に作者の名字を称はず、ただ年月・所処・縁起のみを録せるは、皆大伴宿祢家持の裁作れる歌詞なり。
訓み うらうらにてれるはるひにひばりあがりこころかなしもひとりしおもへば
現代語訳 うららかに照っている春の日に、雲雀が飛びかけり、心は悲しいことよ。ひとり物を思うと。
現代語訳(左注) 春の日はうらうらと照り、雲雀はその中に鳴く。憂愁の心は歌によらずして除きがたい。そこでこの歌を作り、もって鬱情を晴らす。なお、この巻の中で作者の名をあげず、
ただ作歌の年月、場所・所以(ゆえん)だけを記したものは、すべて大伴宿禰家持の作った歌である。
歌人 大伴宿禰家持 / おほとものすくねやかもち
歌人別名 少納言, 家持, 越中国守, 大伴家持, 守, 少納言, 大帳使, 家持, 主人 / せうなごん, やかもち
歌体 短歌
時代区分 第4期
部立 なし
季節
補足 大伴家持/おほとものやかもち/大伴家持
詠み込まれた地名 大和平城京 / 奈良