歌詳細

近江道の鳥籠の山なる不知哉川日のころごろは恋ひつつもあらむ

項目 内容
番号 4-487
漢字本文 淡海路乃鳥籠之山有不知哉川氣乃己呂其侶波恋乍裳将有
漢字本文(左注) 右、今案、高市崗本宮、後崗本宮、二代二帝、各有異焉。
但稱崗本天皇、未審其指。
読み下し文 近江道の鳥籠の山なる不知哉川日のころごろは恋ひつつもあらむ
読み下し文(左注) 右は、今案ふるに、高市崗本宮と、後崗本宮と、二代二帝、おのおの異なれり。
ただ崗本天皇といへるは、いまだその指すところを審らかにせず。
訓み あふみぢのとこのやまなるいさやがはけのころごろはこひつつもあらむ
現代語訳 近江道にある鳥籠の山を流れる不知哉川、その名のように、さあわからぬながら、このごろの日々を恋いつづけていよう。
現代語訳(左注) 右の歌は、いま考えてみると高市岡本宮と後岡本宮との、二代二帝はそれぞれ別である。ただ、岡本天皇とだけいうのはどちらを指すのか明らかでない。
歌人 崗本天皇 / をかもとのすめらみこと
歌体 短歌
時代区分 第1期
部立 相聞歌
季節 なし
補足 斉明天皇/さいめいてんわう/斉明天皇【後岡本宮御宇天皇】
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】近江道
【故地名読み】おおみじ
【現在地名】滋賀県
【故地説明】近江地方の意。県は六世紀ごろ全国的に設けられた行政区画の名、朝廷の御料地ともいわれる。県廃止後もその称が残り、単に地方の意で用いられた。
【故地名】不知哉川
【故地名読み】いさやがわ
【現在地名】滋賀県
【故地説明】滋賀県犬上郡の霊仙山に発し、正法寺山の南西を流れ、彦根市で琵琶湖に注ぐ大堀川(芹川)。
【故地名】高市岡本宮
【故地名読み】たけちのおかもとのみや
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】→明日香の岡本宮(舒明天皇の皇居。「高市岡本宮」ともいう。宮址未詳。明日香村雷付近、または同村奥山付近か。)
【故地名】鳥篭の山
【故地名読み】とこのやま
【現在地名】滋賀県彦根市
【故地説明】滋賀県彦根市正法寺町字鳥篭山(正法寺山)。
【故地名】後岡本宮
【故地名読み】のちのおかもとのみや
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】斉明天皇の皇居。舒明天皇の飛鳥岡本と同地。
【故地名】岡本
【故地名読み】おかもと
【現在地名】奈良県高市郡明日香村
【故地説明】→明日香の岡本宮(舒明天皇の皇居。「高市岡本宮」ともいう。宮址未詳。明日香村雷付近、または同村奥山付近か。)
【地名】近江道:鳥籠の山:不知哉川
【現在地名】不明:滋賀県彦根市正法寺町にある正法寺山:滋賀県犬上郡の霊仙山に発し、正法寺山の南西を流れ、彦根市で琵琶湖に注ぐ大堀川をいう