歌詳細

遠妻のここにしあらねば玉桙の道をた遠み思ふそら安けなくに嘆くそら苦しきものをみ空行く雲にもがも高飛ぶ鳥にもがも明日行きて妹に言問ひわがために妹も事なく妹がためわれも事なく今も見るごとたぐひてもがも

項目 内容
番号 4-534
漢字本文(題詞) 安貴王歌一首〔并短歌〕
漢字本文 遠嬬此間不在者玉桙之道乎多遠見思空安莫国嘆虚不安物乎水空往雲尒毛欲成高飛鳥尒毛欲成明日去而於妹言問為吾妹毛事無為妹吾毛事無久今裳見如副而毛欲得
読み下し文(題詞) 安貴王の歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 遠妻のここにしあらねば玉桙の道をた遠み思ふそら安けなくに嘆くそら苦しきものをみ空行く雲にもがも高飛ぶ鳥にもがも明日行きて妹に言問ひわがために妹も事なく妹がためわれも事なく今も見るごとたぐひてもがも
訓み とほづまのここにしあらねばたまほこのみちをたどほみおもふそらやすけなくになげくそらくるしきものをみそらゆくくもにもがもたかとぶとりにもがもあすゆきていもにことどひわがためにいももことなくいもがためわれもことなくいまもみるごとたぐひてもがも
現代語訳 遠妻はここにいないので、玉桙を立てる道も遠くて、思いをよせる心休まらず、嘆く心も穏やかでないものを。大空を流れる雲でありたい、高く翔ける鳥にもなりたい。そうしたら、明日にも行って妻に言葉をかけ、自分のために妻も無事で、また妻のために自分も無事で、今ありありと見えるように寄り添っていたいことだ。
歌人 安貴王 / あきのおほきみ
歌体 長歌
時代区分 第3期
部立 相聞歌
季節 なし
補足 安貴王/あきのおほきみ/安貴王
詠み込まれた地名 不明 / 不明