歌詳細

夏葛の絶えぬ使ひのよどめれば事しもあるごと思ひつるかも

項目 内容
番号 4-649
漢字本文(題詞) 大伴坂上郎女歌一首
漢字本文 夏葛之不絶使乃不通有者言下有如念鶴鴨
漢字本文(左注) 右、坂上郎女者、佐保大納言卿之女也。駿河麻呂、此高市大卿之孫也。
兩卿兄弟之家、女孫姑姪之族。是以、題歌送答、相問起居。
読み下し文(題詞) 大伴坂上郎女の歌一首
読み下し文 夏葛の絶えぬ使ひのよどめれば事しもあるごと思ひつるかも
読み下し文(左注) 右、坂上郎女は、佐保大納言卿の女なり。駿河麻呂は、この高市大卿の孫なり。
両卿は兄弟の家、女孫は姑姪の族なり。ここを以ちて、歌を題し送り答へ、起居を相問へり。
訓み なつくずのたえぬつかひのよどめればことしもあるごとおもひつるかも
現代語訳 夏の葛のように絶えなかった使者も、近ごろはとどこおりがちでしたので、何か事がおこったのかと思ったことでした。
現代語訳(左注) 右の坂上郎女は大伴安麿の娘である。河麿は大伴御行の孫である。安麿と御行は兄弟、郎女と駿河麿は姑、嫁という一族なので、歌を書きしるして贈答し、様子をたずね合った。
歌人 大伴坂上郎女 / おほとものさかのうへのいらつめ
歌人別名 坂上郎女, 大伴郎女, 郎女, 大伴宿禰坂上郎女, 大伴氏坂上郎女, 佐保大納言卿之女, 母, 姑
歌体 短歌
時代区分 第3期
部立 相聞歌
季節 なし
補足 大伴坂上郎女/おほとものさかのうへのいらつめ/大伴坂上郎女
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】佐保
【故地名読み】さほ
【現在地名】奈良県奈良市
【故地説明】奈良市北部。佐保川の北側、奈良市法蓮町(通称佐保・佐保田町)・法華寺町一帯の地。平城宮の東北郊。貴族の住宅地で、長屋王の邸宅「作宝楼」などがあった。