歌詳細

大和には鳴きてか来らむ呼子鳥象の中山呼びそ越ゆなる

項目 内容
番号 1-70
漢字本文(題詞) 太上天皇幸于吉野宮時高市連黒人作歌
漢字本文 倭尒者鳴而歟来良武呼兒鳥象之中山呼曽越奈流
読み下し文(題詞) 太上天皇吉野の宮に幸しし時に、高市連黒人の作れる歌
読み下し文 大和には鳴きてか来らむ呼子鳥象の中山呼びそ越ゆなる
訓み やまとにはなきてかくらむよぶこどりきさのなかやまよびそこゆなる
現代語訳 大和では今ごろは呼子鳥が鳴いて来ているだろうか。象の中山を人を呼びながら鳴き渡っている。
歌人 高市連黒人 / たけちのむらじくろひと
歌人別名 高市, 黒人, 高市 / たけち
歌体 短歌
時代区分 第2期
部立 雑歌
季節 なし
補足 高市黒人/たけちのくろひと/高市黒人
詠み込まれた地名 大和 / 奈良
関連地名 【故地名】象の中山
【故地名読み】きさのなかやま
【現在地名】奈良県吉野郡吉野町
【故地説明】象山のこと。(喜佐谷入口西側の山。宮滝から吉野川を隔てて南正面の山。)
【故地名】大和
【故地名読み】やまと
【故地説明】(倭・日本)大和朝廷の勢力のおよんだ範囲をあらわす語で、奈良県天理市大和(大和神社がある)あたりの地方名から起こり、大和中央平原部、奈良県全体、近畿一帯から日本全国の総名へと発展したという。集中の歌は大和中央平原部・大和国(奈良県全体)・日本国の総名など種々に用いている。
【故地名】吉野の宮
【故地名読み】よしののみや
【現在地名】奈良県吉野郡吉野町
【故地説明】吉野にあった離宮。応神・雄略・斉明・天武・持統・文武・元正・聖武の諸天皇の行幸があった。集中の吉野吉野宮は吉野町宮滝の地域内と見られ、宮址はもとの中荘村役場付近と伝える。他に東吉野村大字小字黒田の丹生川上中杜付近、大淀町などの説もある。
【地名】大和:象の中山
【現在地名】奈良盆地東南部:奈良県吉野郡吉野町宮滝から南正面に眺められる山