歌詳細
項目 | 内容 |
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番号 | 巻6-916 |
漢字本文 | 茜刺日不並二吾恋吉野之河乃霧丹立乍 |
漢字本文(左注) | 右、年月不審。但、以歌類載於此次焉。 或本云、養老七年五月幸于芳野離宮之時作。 |
読み下し文 | あかねさす日並べなくにあが恋は吉野の川の霧に立ちつつ |
読み下し文(左注) | 右は、年月審らかならず。ただ、歌の類を以ちてこの次に載す。 或る本に云はく、「養老七年五月、吉野の離宮に幸しし時に作る」といへり。 |
訓み | あかねさすひならべなくにあがこひはよしののかはのきりにたちつつ |
現代語訳 | 茜色に色づく日々を多く重ねたわけでもないのに、わたしの恋心は吉野川に川霧が立ちこめるように――。 |
現代語訳(左注) | 右の歌は作歌年月が明らかでない。但し、歌が似ているので、この次に載せる。 ある本では、「養老七年五月、吉野離宮に行幸した時に作った」という。 |
歌人 | 車持朝臣千年 / くるまもちのあそみちとせ |
歌体 | 短歌 |
時代区分 | 第3期 |
部立 | 雑歌 |
季節 | 夏 |
補足 | 車持千年/くるまもちのちとせ/車持千年【車持朝臣千年】 |
詠み込まれた地名 | 大和 / 奈良 |
関連地名 | 【故地名】吉野の川 【故地名読み】よしののかわ 【現在地名】奈良県吉野郡 【故地説明】大台ヶ原山中より発して西北流し、吉野町国栖で高見川をあわせ、届曲西流して、宮滝・上市・下市、五条市を経て、和歌山県に入って紀ノ川となる。 【故地名】吉野の離宮 【故地名読み】よしののとつみや 【現在地名】奈良県吉野郡吉野町 【故地説明】吉野の宮に同じ。 【地名】吉野川 【現在地名】大台ヶ原山に発して西北流し、吉野の渓谷をぬって奈良県吉野郡吉野町宮滝・上市、大淀町を経、五條市で丹生川を合わせ、和歌山県に入って紀ノ川となる |