歌詳細

鯨魚とり浜辺を清みうち靡き生ふる玉藻に朝凪に千重波寄せ夕凪に五百重波寄す辺つ波のいやしくしくに月に異に日に日に見とも今のみに飽き足らめやも白波のい咲き廻れる住吉の浜

項目 内容
番号 6-931
漢字本文(題詞) 車持朝臣千年作歌一首〔并短歌〕
漢字本文 鯨魚取浜邊乎清三打靡生玉藻尒朝名寸二千重浪縁夕菜寸二五百重波因邊津浪之益敷布尒月二異二日〻雖見今耳二秋足目八方四良名美乃五十開廻有住吉能浜
読み下し文(題詞) 車持朝臣千年の作れる歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 鯨魚とり浜辺を清みうち靡き生ふる玉藻に朝凪に千重波寄せ夕凪に五百重波寄す辺つ波のいやしくしくに月に異に日に日に見とも今のみに飽き足らめやも白波のい咲き廻れる住吉の浜
訓み いさなとりはまへをきよみうちなびきおふるたまもにあさなぎにちへなみよせゆふなぎにいほへなみよすへつなみのいやしくしくにつきにけにひにひにみともいまのみにあきたらめやもしらなみのいさきめぐれるすみのえのはま
現代語訳 鯨も取れるという海の浜辺が清らかなので、うち靡きながら生えている美しい藻には、朝の凪に千重の波が寄せ、夕方の凪に五百重の波が寄せて来る、その浜辺の波の重なるように月々にいっそう見飽きることなく、日々に見るとしても今だけ見るのでは満足することがあるだろうか。白波が咲くようにめぐる住吉の浜よ。
歌人 車持朝臣千年 / くるまもちのあそみちとせ
歌体 長歌
時代区分 第3期
部立 雑歌
季節 なし
補足 車持千年/くるまもちのちとせ/車持千年【車持朝臣千年】
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】住吉の浜
【故地名読み】すみのえのはま
【現在地名】大阪府大阪市住吉区
【故地説明】大阪市住吉区を中心とした一帯の地。海神をまつる住吉神社がある。当時開港場として知られていた。
【地名】住吉の浜
【現在地名】大阪市住吉区の海岸