歌詳細

天地の遠きがごとく日月の長きがごとくおしてる難波の宮にわご大君国知らすらし御食つ国日の御調と淡路の野島の海人の海の底沖つ海石に鮑玉さはに潜き出船並めて仕へ奉るし貴し見れば

項目 内容
番号 6-933
漢字本文(題詞) 山部宿祢赤人作歌一首〔并短歌〕
漢字本文 天地之遠我如日月之長我如臨照難波乃宮尒和期大王国所知良之御食都国日之御調等淡路乃野嶋之海子乃海底奥津伊久利二鰒珠左盤尒潜出船並而仕奉之貴見礼者
読み下し文(題詞) 山部宿祢赤人の作れる歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 天地の遠きがごとく日月の長きがごとくおしてる難波の宮にわご大君国知らすらし御食つ国日の御調と淡路の野島の海人の海の底沖つ海石に鮑玉さはに潜き出船並めて仕へ奉るし貴し見れば
訓み あめつちのとほきがごとくひつきのながきがごとくおしてるなにはのみやにわごおほきみくにしらすらしみけつくにひのみつきとあはぢののしまのあまのわたのそこおきついくりにあはびたまさはにかづきでふねなめてつかへまつるしたふとしみれば
現代語訳 天地が遠いように、日や月が長いように、一面に日が照る難波の宮にわが天皇は国を支配なさるらしい。食膳を奉仕する国の天皇への御調として、淡路の野島の漁師が潜っては海底の深い岩礁から鮑の玉をたくさん採り、船を並べてお仕え申すのが貴いことだ。見ていると。
歌人 山部宿禰赤人 / やまべのすくねあかひと
歌人別名 山部宿禰明人
歌体 長歌
時代区分 第3期
部立 雑歌
季節 なし
補足 山部赤人/やまべのあかひと/山部赤人【山部宿祢赤人】
詠み込まれた地名 不明 / 不明
関連地名 【故地名】淡路
【故地名読み】あわじ
【現在地名】兵庫県
【故地説明】兵庫県の淡路島。
【故地名】難波の宮
【故地名読み】なにわのみや
【現在地名】大阪府大阪市
【故地説明】仁徳天皇の高津宮・孝徳天皇の難波長柄豊碕宮・聖武天皇の難波宮をいう。宮址はいずれも高津宮とほぼ同地。
【故地名】野島(2)
【故地名読み】のしま
【現在地名】兵庫県津名郡北淡町
【故地説明】兵庫県津名郡北淡町(淡路島)野島の地。淡路島の西側、北端から約4キロ。
【地名】難波の宮:淡路:野島
【現在地名】大阪市中央区法円坂町一帯:兵庫県:兵庫県津名郡北淡町野島