歌詳細

御食向かふ淡路の島に直向かふ敏馬の浦の沖辺には深海松採り浦廻には名告藻刈る深海松の見まく欲しけど名告藻の己が名惜しみ間使も遣らずてわれは生けりともなし

項目 内容
番号 6-946
漢字本文(題詞) 過敏馬浦時、山部宿祢赤人作歌一首〔并短歌〕
漢字本文 御食向淡路乃嶋二直向三犬女乃浦能奥部庭深海松採浦廻庭名告藻苅深見流乃見巻欲跡莫告藻之己名惜三間使裳不遣而吾者生友奈重二
読み下し文(題詞) 敏馬の浦を過ぎし時に、山部宿祢赤人の作れる歌一首〔并せて短歌〕
読み下し文 御食向かふ淡路の島に直向かふ敏馬の浦の沖辺には深海松採り浦廻には名告藻刈る深海松の見まく欲しけど名告藻の己が名惜しみ間使も遣らずてわれは生けりともなし
訓み みけむかふあはぢのしまにただむかふみぬめのうらのおきへにはふかみるとりうらみにはなのりそかるふかみるのみまくほしけどなのりそのおのがなをしみまつかひもやらずてわれはいけりともなし
現代語訳 天皇の御食膳に供する粟――淡路島にまっすぐに向きあっている敏馬の浦の沖の方では海底深い海松を採り、浦のめぐりでは名告藻を刈る、その深海松のように妻に逢いたいと思うが、名告藻というように自分の名が惜しいので、使いの者も遣らないで、私は生きている心地もない。
歌人 山部宿禰赤人 / やまべのすくねあかひと
歌人別名 山部宿禰明人
歌体 長歌
時代区分 第3期
部立 雑歌
季節 なし
補足 山部赤人/やまべのあかひと/山部赤人【山部宿祢赤人】
詠み込まれた地名 播磨 / 兵庫
関連地名 【故地名】淡路の島
【故地名読み】あわじのしま
【現在地名】兵庫県
【故地説明】兵庫県の淡路島。
【故地名】敏馬の浦
【故地名読み】みぬめのうら
【現在地名】兵庫県神戸市
【故地説明】敏馬付近の海浜。
【地名】淡路の島:敏馬の浦
【現在地名】兵庫県:神戸市灘区岩屋付近の海岸